360度全天球カメラ RICOH THETA との接続方法

※LiveCapture3 v 3.3.01.08160より、USB/WiFi両方でTHETAの接続に対応しましたので、ブログの内容も変更しました。(2020/8/16)

全天球カメラとは

LiveCapture3では、360度の空間を撮影できる全天球カメラにも対応しています。

LiveCapture3のダウンロードはこちらから

これにより、部屋中を一つのカメラで死角なく監視することが可能になります。

全天球カメラとは、複数のレンズを組み合わせることで、カメラの方向を変えることなく、360度の空間すべてを撮影するカメラで、VR(バーチャルリアリティ)映像の撮影などに使用される特殊なカメラです。

今回、LiveCapture3では、こうした全天球カメラの出力フォーマットとして標準的な「正距円筒図法」の出力を行う全天球カメラとの接続に対応しました。

正距円筒図法

「正距円筒図法」とは、360度の空間映像を平面の映像として表現する方法です。

最もなじみの深いのが、世界地図ですね。

世界地図は、丸い地球を平面に投影することで、平面上で360度の世界を表現しています。

ほとんどの全天球カメラは、これと同じような方法で、360度空間の映像を出力します。

全天球カメラで撮影された映像は、そのままではカメラ特有のレンズのゆがみや、各イメージャ撮像間の重なりなどが存在する為、それらを考慮して、複数のイメージャの撮像を結合する「スティッチ」と呼ばれる処理を行って、最終的に「正距円筒図法」の映像として出力します。

全天球カメラ THETA

RICOHから販売されている全天球カメラ「THETA」は、撮影からスティッチ処理までをカメラ内部で行ってくれる優れもので、価格も手ごろなVRカメラです。

しかも、リアルタイムの映像を、USBやWiFi経由でライブストリーミング配信する機能もあります。

このWiFiでのライブストリーミング配信は、配信フォーマットとしてはおなじみのMotionJPEG形式なので、USB接続だけでなく、WiFi経由でもLiveCapture3とTHETAの接続が可能です。


RICOH THETA V メタリックグレー 360度カメラ 手ブレ補正機能搭載 4K動画 360度空間音声 Android OS搭載で機能拡張に対応 リコーシータ独自の高精度なスティッチング技術で高画質で自然な360度撮影 ビジネスシーンで大活躍 910725

RICOH THETA Z1 ブラック 360度カメラ 1.0型裏面照射型CMOSセンサー搭載 23MP高解像静止画 手ブレ補正機能搭載 4K動画 360度空間音声 RAW現像対応 高速無線転送 リコーシータ独自の高精度なスティッチング技術 THETAシリーズのフラッグシップモデル ビジネスシーンで大活躍 910774

下記は、USB/WiFiで接続できるTHETAのモデルの一覧です。

USBWiFiコメント
THETA Z1 / VUSB接続には、RICOH THETA UVC 4K(64ビット)が必要
THETA S× USB接続には、RICOH THETA UVC Blender for Windows (64ビット)が必要
THETA SC××

THETA Z1/Vは、USBでもWiFiでも接続可能ですが、THETA SはUSB接続のみ、THETA SCは接続不可、となります。

※USB接続の場合、Z1/V/Sいずれも、RICOHが公開しているUVCドライバーをWindowsにインストールする必要があります。

LiveCapture3と接続後、配信されてくるJPEG映像は、先程の「正距円筒図法」で配信されてきますので、実際に表示する際は、この「正距円筒図法」の映像を、3D空間上の360度映像に逆変換する必要があります。

LiveCapture3では、プレビュー画面上でカメラ映像を表示する際に、この「正距円筒図法」から3D空間上の360度映像への逆変換を行っており、マウスで360度の視点をぐりぐりと動かして確認することができるようになっています。

LiveCapture3との接続方法(WiFi)

THETA Z1/V共に、まずは下記の説明に従って、LiveCapture3が接続されているネットワーク上のWiFiルータに接続させます。

無線ルータ経由でスマートフォンと接続する(THETA V)

無線ルータ経由でスマートフォンと接続する(THETA Z1)

その後、Thetaアプリがインストールされているスマホを、同じネットワークに接続させた状態で、WiFiルータ経由でTHETAに接続します。

THETAと接続後、設定を開いて、

「カメラ設定」⇒「カメラのバージョン」と選択して、THETAのIPアドレスを確認します。

THETAのIPアドレスが確認出来たら、LiveCapture3との接続を行います。

LiveCapture3を起動し、タスクトレイアイコンを右クリックで「カメラの追加」を選択して、「RICOH THETA(Web API)を選択します。

THETAの接続設定ページで、先程確認したIPアドレスと、接続用のユーザ/パスワードを入力します。

THETAの接続ユーザ/パスワードは、初期値はカメラ底面に貼ってあるシールに記載されています。

(Thetaへの接続時のSSIDとパスワードが、そのまま接続ユーザ(B)/パスワード(A)になります。

LiveCapture3との接続方法(USB)

USB経由で接続する場合、事前にRICOHから公開されているアプリをインストールする必要があります。

上記のアプリをインストール後、THETAをUSBで接続して、「ライブモード」で起動します。

※THETAのライブモード起動は Z1/V/Sそれぞれで異なりますので、取扱説明書を読んでください。

接続できたら、LiveCapture3を起動し、タスクトレイアイコンから「カメラの追加」⇒ 「PCに接続されたカメラ(USBカメラ等)」を選択してカメラ選択画面を表示します。

選択するデバイス名は以下になります。

  • THETA S
    • THETA UVC HD Blender (画サイズ:1280 x 640)
    • THETA UVC FullHD Blender(画サイズ:1920 x 960)
  • THETA Z1/V
    • RICOH THETA V/Z1 FullHD(画サイズ:1920 x 960)
    • RICOH THETA V/Z1 4K(画サイズ:3840 x 1920)

画サイズが大きくなると、当然PCへの負荷も大きくなります。

特にZ1/Vで4K(3840 x 1920)表示を行うと、動体検知などはかなり厳しい感じです。

LiveCapture3 Remoteへの配信のみで使用するのであれば、通常のPCでも問題ありませんでしたので、その用途であれば、4Kを選択することで、4Kサイズの高画質なVR監視が外出先から楽しめます。

ただ、下記にも記載しますが、USB接続の場合は自動で正距円筒図法の展開を行いませんので、設定画面を開いて、手動で展開処理をONにしてください。

プレビュー表示

LiveCapture3との接続が成功すると、THETAからのライブ映像がプレビュー画面に表示されます。

WiFi接続の場合、カメラ追加時にLiveCapture3の方で自動的に正距円筒図法から3D空間描画への変換処理をONにしますが、USB接続の場合は、設定画面を開いて「全天球画像展開を有効にする」にチェックを付けてください。

この処理を有効にすると「正距円筒図法」の映像から3D空間上の360度映像に変換されて表示されますので、マウスで上下左右にドラッグすることで、360度の映像を確認することができます。

※LiveCapture3 Remoteで、外から見る場合も、このチェックを付けてください。

キャプチャー設定

動体検知などのキャプチャーの設定も、通常のカメラと同様に行えます。

ただし、設定時に表示される映像は、「正距円筒図法」のままの映像が表示されます。

特に、動体検知の場合、正距円筒で360度すべてが表示されていますので、監視領域が非常に広くなっており、通常の設定では、動きの反応が小さすぎて動体検知が動きません。

検知が必要な領域を個別に設定して、反応を確認してください。

キャプチャーされた静止画・動画について

キャプチャーされた静止画や動画も、「正距円筒図法」のままのフォーマットになりますので、360度映像として再生するには、正距円筒図法の入力に対応した専用のプレイヤーが必要になります。

注意が必要なのは、LiveCapture3で出力される動画のフォーマットはWMVフォーマットなのですが、WMVには正距円筒図法であるという印(メタ情報)を埋め込むことができません。

そのため、正距円筒図法かどうかを自動判別するプレイヤーではなく、手動で設定を行えるプレイヤーが必要になります。

残念ながら、有名なVLCPlayerなどは、自動判別のみで手動で設定を変更することができませんので、私は、PotPlayerという動画再生プレイヤーを使用しています。

PotPlayerのダウンロード

起動後に、メニューから「映像」⇒「360度映像を再生する」⇒「360度映像を常に再生」に設定すると、LiveCapture3でキャプチャーしたWMV動画を360度動画として再生します。

カメラ設置時の注意

THETAを設置するには、三脚などの使う必要がありますが、監視カメラとして使用する為には、USB給電を行える状態にする必要があります。

しかし、THETAのUSB接続口は、三脚接続用の口のすぐ隣にあり、そのままではUSBケーブルを接続することができません。

そこで、私は下記のエクスパンダーを使用して設置しています。


RICOH エクステンション アダプター TE-1 USB端子やHDMI端子ケーブルを接続した状態で三脚を使用可能にするアダプター, 電源供給をしながら撮影する長時間インターバル撮影やパソコンと接続したライブストリーミング撮影、不動産撮影などビジネスシーンに便利 RICOH THETAシリーズ全機種対応 910710

これ、もはや必需品だと思うので、同梱してほしいくらいですが、、、

あとは、THETAをライブストリーミングしながら常時起動しておくと、やはり、結構熱を出します。

冷えピタなどの熱さましシートをTHETA本体に巻いておくと、1日は持つ感じでしたので、ご参考までに。。

4件のコメント

  • お世話になります。
    勝手ながら、一つ質問させて下さい。
    THETAとパソコンとの接続方法なのですが、WIFIを使わずにUSB接続を使用してもLiveCapture3に接続する事は可能でしょうか?

    宜しくお願い致します。

    • 基本的には正距円筒図法の入力であれば、WiFiでもUSBでも接続可能です。
      ただ、THETAの場合、モデルによって仕様が異なりますので、そのあたりを現在調査中です。
      近いうちにそのあたりの情報もブログに掲載予定ですので、しばらくおまちください。

      以下、現在分かっていることを箇条書きで記載しますので、参考にしてみてください。

      今のところ接続が確認できたのは、THETA Sです。
      THETA SはUSB経由でのライブストリーミングが可能ですが、USB経由で受信する場合は「RICOH THETA UVC Blender 64bit」が必要です。
      下記よりDLして、PCにインストール後、THETA SをUSBで接続し、ライブストリーミングモードで電源を入れてから、LiveCapture3のカメラ追加を行ってください。
      https://support.theta360.com/ja/download/archive.html

      THETAの撮影モードボタンを押しながら電源ボタンを押して電源をオンにすることで、ライブストリーミングモードでTHETAが起動します。
      (LIVEの青文字が点灯します)

      カメラ一覧に表示される「RICOH THETA UVC Blender」を選択すればUSB経由でTHETAと接続できますので、
      接続後、LiveCapture3の設定画面の最初のページにある「全天球画像展開を有効にする」にチェックを入れれば、360度画像に変換して表示します。

      THETA SCはライブストリーミングに対応していないので、多分ダメだと思います。

      THETA Z1/Vは、THETA Sのように追加ソフトなしでUSB接続可能なのですが、LiveCapture3との接続がうまくいきません。
      出力フォーマットがH.264なので、接続はできるはずなのですが、、、今、そのあたりを調査中です。

  • Daddyさま
    早速の詳細な情報、助かります。
    こちらではVを購入する予定なので、USB接続が無理なら給電のみUSBで行いデータはWIFIで送ることになるのですね。
    USB接続ですべて出来た方が望ましいので、こちらでもいろいろ試してみたいと思います。

    重ねて御礼申し上げます。どうもありがとうございました。

    • LiveCapture3をバージョンアップし、THETAとのUSB接続に対応しました。
      合わせてBlogの内容も更新しましたので、ぜひお試しください。

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